よくわかる通販業界 / 鈴木真由美

通信販売の専業会社が101社、デパートやカード会社などとの兼業会社が127社ある。
地方に多い通販会社・・土地代や人件費などのコスト問題、人材確保を含めた企業文化に関わる問題

通販の魅力

①家にいながらにして買い物ができる。
②店頭では売っていない珍しい商品や、人前では買いにくい商品を手軽に購入できる。
③店頭に比べて価格が安い。(店舗や販売員など、販売コストがかからないため)

通販は「ゆりかごから墓場まで」・・ありとあらゆる商品分野をカバーしている。

通販の課題

①独自性の高い商品の開発や品揃え
②郵便料金
③顧客リストの収集、整備
④人材確保
⑤広告費の上昇

受注システム・・電話、FAX、郵便、パソコン
配送システムで他社との差別化
代金回収方法
1.郵便振替 2.代金引換 3.クレジットカード 4.銀行振り込み

通販トラブルの増加

新手のトラブル・・資格講座の通信教育やパソコン販売にまつわるトラブル
男性顧客の開拓がカギ・・商品カタログや折り込みチラシ、一般雑誌、DM、テレビなど

通販の発祥の地は、アメリカ。1744年、ベンジャミン・フランクリンによる。
日本の通販誕生は文明開化とともに・・トウモロコシの種など
大正時代に最盛期を築いた百貨店通販・・印鑑の通販など
戦後、通販業の蘇生は困難を極めた。

主なヒット商品・・「ぶらさがり健康器」「ルームランナー」「超音波美顔器」
コンピュータ技術の発達や、宅配便網の発達が通販市場成長の追い風となった。

お店がないから自由に伸びる。
・・顧客の特化、経費節約、リニューアルの手軽さ、販売拡大の可能性が無限
通販は、情報化の波に乗り、今日の地位を築き上げた。

リピータ戦略

・・商品を購入した消費者に対しては、その後一定期間、カタログを送付する。
・・一定金額以上を購入した場合、割引がある。
リピーターが多ければ多いほど、売り上げの安定につながる。

新聞広告や折り込みチラシを使った場合のレスポンス率(注文率)は、わずか0.3%
せっかく手に入れたハウス・リストを末永く活用するためには、こまめなメンテナンスが必要。
カタログの魅力で、通販人気を加速化
・・カタログの雑誌化(読み物としての魅力をアピール)
女性の社会進出と通販の増加、高校生の通販利用(トップは下着)
高齢化社会の助っ人として活用

不況に強い通販は錯覚に過ぎない。
郵便料金の大幅値上げに通販会社はアップアップ
高まるばかりの広告費、何を削るかで勝負は決まる。

通販の根強い不信感、通販を利用しない理由

①実際に商品を手にとって見れない。
②何となく不安
③自分でお店へ買い物に行く
④買いたい商品がない
⑤商品や会社が信用できない
⑥アフターサービスが心配

通販業界の大手寡占化・・資金力のある大手が強い。
海外資本の進出「L・L・ビーン」「エデイバウアー」
・・大手といえども楽観できない。

通販の配送にかかる日数の平均は10.2日。ムトウは3日以内。

カタログ戦略

セシール・・「セラヴィ」
千趣会・・商品群別にカタログを細分化。およそ19種類。
「シューズデイズ」「アクセサリータイム」ブランド品の「特選館」チョコレー
トの「バレンタイン」
ムトウ・・「生協カタログ」OL向けの「ラプテイ」ミセス向けの「ソリテイ」ハイミセス
向けの「モンマリ」
カタログハウス・・「通販生活」
ハイセンス・・「はいせんす絵本」ファッション編、生活雑貨編、こども編
三越・・「美味通信」「室内物語」シルバーエイジ向けの「浪漫派」

カタログ書店売りで新規顧客開拓をねらう
ねらいをさだめてカタログ作り

セシール・・生保、損保、旅行代理、DDI取次、通信教育、映像ビジネスに進出
映像ビジネスで、広告、CMによるイメージアップ作戦が成功
千趣会・・キメの細かさで会員倍増
ニッセン・・顧客リスト構築のうまさで急成長
ムトウ・・業界最先端をいく物流センター
フジサンケイリビングサービス・・メデイアを生かした多角的販売方法
シムリー・・都会的なセンスで若い女性の顧客をキャッチ
フェリシモ・・初の男性向けカタログ創刊
カタログハウス・・ユニークなカタログ戦略でヒットを飛ばす

百貨店通販はカタログはつまらない。10年後には消えてしまう?
コンビニ(セブンイレブン)・・高級品を格安販売

通販の売れ筋商品

①一般店舗では見かけない珍しい商品
②特定の市場をねらった商品
③店舗に比べて値段が安い商品
④店頭で買うには少々恥ずかしい商品

ヒット商品・・空気清浄器、DHA入り食品、美肌の塩や韓国式あかすりなど
健康器具・・ブルーワーカー(25年たっても根強い人気)
久々の大ヒット、スーパーはぼき
産地直販グルメブーム
ラジオショッピング、テレビショッピング
アメリカ二大ネットワーク・・QVCとHSN

テレビショッピングの大きな弱点
・・消費者はなかば慌てて購入するので返品率は30%を超える。

世界の通販会社売上げランキング

1.オットー(ドイツ)108億ドル
2.クレエ(ドイツ)70億ドル
3.シアーズ(アメリカ)55億ドル

ニューメデイアが広げる可能性、マルチメデイアと通販

 

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