正しく学ぶ先物経済 / 杉江雅彦

先物取引はオランダで始まった。

商品に知恵から生まれた先物取引
東インド会社の創設と株式市場の発生
チューリップ投機という副産物も発生

日本では米の先物取引

1、ヘッジ・ニーズ
2、俸給は米
帳合米取引(価格平準化機能が失われ、逆に投機化、賭博化の傾向を帯びるようになった)

リスクを転嫁できるのが先物市場

価格変動が不可避な市場経済
金融分野にも価格変動リスクが発生(変動相場制)

投機は合理的な経済活動

しかし、投機の行き過ぎに対しては、市場管理でチェックしなければならない。
先物市場はヘッジャーだけでは成り立たない。そこには投機家の参加がぜひ必要である。
投機は究極の資産運用手段

価格差があれば必ず、裁定が起こる。

先物は現物よりもはるかに長期間、契約が続行するため、持越費用が余分にかかる。
その分だけ先物が現物よりも高くなる。これを先物市場における理論価格という。

将来の価格予測に役立つ先物市場
エルニーニョと穀物相場の関係
・・・海温が上昇しアンチョビの漁業量が激減するため、値段高騰する。
農家は飼料をアンチョビから大豆に切り替え、大豆・コーンが上昇する)

どんな商品が先物取引に適しているか

現物受渡しが可能な商品であること。
商品(400年の歴史)金融(20数年の歴史)
価格変動が常態の商品であること。いかに大量生産され、消費される商品であっても、
価格がきわめて安定している商品は、先物取引の対象にはなりにくい。
当業者の反対が厚い壁
米国では先物はすべて商品取引所に上場
リスク管理のためなら何でも上場する。
ワルラスの理論・・・板寄せ(オープン・アンド・クライ)経済学で言う「模索」

商品取引所
「当業者主義」上場商品の当業者で、資産額などの会員資格を満たせば、会員になれる。
約10万人の商品先物取引委託者がいる。

若い人が先物ディーラーに向く理由

①若い人はコンピュータに強い。
②体力がある。
③判断が早い。

指数先物の開発がこれからの主力。単品を上場するよりも当業者の反対を緩和できる。
再生が効かない工業原料
市場原理に反した国際商品協定の破綻
金融先物市場の拡大には商品取引員の参入が必要

儒教的モラルから見れば先物取引は「賭博」

元来、先物規制は商品取引法だけ。
望まれる総合先物取引法の制定

画期的先物商品である指数先物

S&P500がダントツの出来高
海外では決済日までの反対売買は認めないという制度もある。

当業者が上場を拒む理由

→商品が上場されると、毎日値段が新聞に掲載されるため、コストがわかるのを嫌うから。
たとえば、生産メーカーの数が少なく、彼らが独占価格ないし寡占価格を維持したいと考えれば、
毎日、相場が変動するのは好ましくない、と願うかもしれない。

層が厚い米国の先物業者

ビジネス感覚の商品取引所運営。絶えず他取引所と競争している。
日本では取引所というと、行政官庁の出先機関の印象が強い。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です