葬られた「第二のマクガバン報告」(上) / T・コリン・キャンベル、トーマス・M・キャンベル、松田麻美子 訳

「特定の栄養素だけで健康になれる」という幻想

科学者は、ある特定の栄養素についてだけ集中的に研究し、その効果だけに期待をかける。
あまりにも単純に捉えすぎ、栄養に関するはかりしれない複雑性を無視している。

正しく食べることことが、あなたの命を救う。

発ガン物質をコントロールするもの
癌の発症が確認された後でも、低タンパクの食事はそれに続いて生じる癌の増殖を劇的に阻止した。

牛乳のガセインは絶えず癌の発生・増殖を強力に促進させる。

良質なタンパク=健康に良いという大いなる誤解

低質の植物性タンパク質は、1つかそれ以上の必須アミノ酸の量が十分でないかもしれないが、植物性食品群全体としては、必須アミノ酸の全てを含んでいる。

低質の植物性タンパク質こそ最もヘルシーなタンパク質である。

癌はこうして作られる

・イニシエーション(形成開始期)
きっかけは発ガン物質

・プロモーション(促進期)
成長は食べ物次第
促進期はイニシエーション(形成開始期)よりずっと長く、人間の場合だとたいてい何年もかかる。
この時期は癌細胞が増殖し、次第に大きな塊に成長し、目に見える腫瘍が形成されるときである。
プロモーションは、初期の癌が成長に最適な条件を与えられたかどうかによって、停止(休眠状態)にさせることができる。
食事が重要になるのはこの時である。
食事因子はプロモーター(促進物質)とアンチ・プロモーター(抗促進物質)があり、

プロモーターがアンチ・プロモーターより数で優ると癌の増殖が活発になる。
アンチ・プロモーターがプロモーターより数で優ると癌の増殖がゆっくりになる。
一方が押すと他方が引くような関係。

・プログレッション(進行期)
致命的なダメージの始まり
進行した癌細胞群が体に決定的なダメージを与えるくらいまで癌の増殖が進行したときに始まる。
最初にあったところから抜け出してさまよっているときの状態が「転移している」ということになる。
これは癌の最終形態で死に至る結果となる。

①アラフトキシン(発ガン物質)が細胞に侵入
②アラフトキシンが酵素によって代謝される
③危険な物質(AF)が形成される
④その物質が細胞のDNAを攻撃する
⑤損傷したほとんどのDNAは修復されるが、損傷が大きい場合、修復より先に細胞が増殖し、
 永久にダメージを受けた癌細胞が生まれる。

低タンパクの摂取は、酵素活動を著しく低下させ、危険な発ガン物質のDNAへの結合を妨げる。

「病巣の成長」は、アフラトキシンの摂取量とは関係なく、ほぼ完全にタンパク質の摂取量に深く関わっている。
「病巣の成長」は、動物がその体の成長に必要な食事タンパク質の量を満たしたときか、その量を超えたときに開始される。

植物性タンパク質では、たとえ高レベルの量を摂取したとしても、癌の増殖を促進するようなことはなかった。
食物繊維は植物性食品の中だけに含まれている。
食物繊維をたくさんとれば、コレステロールは減っていく。

植物の大きな特徴の1つは、その鮮やかな色にある。
果物や野菜の色は、抗酸化物質と呼ばれる様々な化学物質(フォトケミカル類)から来ている。
フォトケミカルは、ほぼ植物の中だけに存在する。
人間は自分自身で抗酸化物質を製造することはできないので、植物の中の抗酸化物質を取り入れる必要がある。

 

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